2020-12-28 18:52:26
羽生善治 九段 vs. 豊島将之 竜王 順位戦
127手目の▲7七金に対して後手は△8五歩が正着で、以下▲同馬△7七龍▲同玉△6五歩で先手玉は詰めろ受けるなら▲8八歩だが、△6七金▲8六玉△9四金がまた詰めろで詰み手順中の△7七角を受けるために▲9七飛しかないが△8五金▲同角成△同金▲同玉△9四角▲8六玉△7二角で7二の金を外されて先手は2段目から飛車を打つぐらいで後手玉に迫るしかないが△9四角打と繋がれた手が詰めろ逃れの詰めろで後手勝ち。
本譜の△6五歩には(投了図)以下▲8三馬△同桂▲7八金で後手玉に簡単な1手詰めがかかり、△8二金と受けると▲同金以下詰み、△8一金と受けても▲5一飛で詰めろが解けずに先手勝ち、後手は △8五金から先手玉に迫るしかない。以下 ▲同角成△同歩▲同玉△9四角▲8六玉△9七角▲同香△6六龍▲8七玉△7五桂▲9八玉△7二角(△9七角▲同香をいれないと△6六龍に▲9七玉と引かれて△7五桂と王手で跳ねられないので後手負け)でやはり7二の金が抜かれるが先述の変化と比べて先手は角銀を持ち駒にし、後手は金しか持ち駒が無く、駒割が全く違う。先手は2段目から飛車を打って詰めろをかけ、後手はこれを解けないので先手勝ち。
戻って本譜の▲7七金では後に△7七龍▲同玉△6五歩で後手勝ちなので先手は▲8八金と龍で切られないように受けるしかない。127手目に▲8八金では△7四銀と馬を取られるので、▲同馬△同桂としてから▲8八金(ここで▲7七金はやはり△同龍と切られて13手詰み)とする。以下△6五歩で先手玉は詰めろになるが、ここで▲7八金と銀を外せる。以下は投了図以下の▲8三馬と同じ変化。
AIが勝勢と示していたのはこの順ありきの話。
先手はどうやって王手王手で迫られて7二の金を外されるし、感想戦で羽生先生は▲8八金に△5六龍と王手される手を気にされていたので指しにくかった様子。しかもこの変化を1分将棋で読み切らなければならなかったので安易に勝勢で投了とは言えないと思う。
TT 38dff6b0