aa7cd078's comments

この手は後手の手としては、普通ではない気がする。
「乱戦を制する自信満々」な印象を受ける。

最近の羽生善治先生の勝ち方は美しい印象がします…。
「悪手を的確に咎めることができれば、攻めは平凡でよい」…そんな感じが…。
最近の将棋は、コンピューターで強襲を綿密に予習してきて、時間消費で競り勝つような将棋も多いので…。

攻守は違いますが、ここまでの手順は、二局目の千日手だった棋譜と同一手順ですね…。
永瀬拓矢先生の「しっかり学ばせてもらいました」という感想も頷けますね…。
つまり、ここまでの同一手順で、「さっきの千日手の将棋、私だったら、こう打つ」と強く主張されている感じですね…。

振り飛車は「振り飛車側からは角交換を控える」→角筋は通したままで角が睨み合う、
「玉頭筋からは、すぐには攻めて来ない」→位取りで優位を取る。
何か振り飛車の定石を逆手に取ったみたいな後手側の対応…。
で、ここで初めて相振り飛車だと、後手側が手の内を明かす…？

「受けて立つ側」…とは、こういう物なのですかね…？
出口若武先生の横歩取りに、横歩取りで対抗…。
素人が見ていて楽しい棋譜…？

相手に大駒を渡すことで、形勢が一気に悪化しやすいことを勘案すると、
角交換で、大駒が無くなった跡地の方が、玉将の傍に大駒がなく、取られて痛打となる駒が囲いに無い方が、却って囲いとしては強いのかもしれない、と思い直したりもしました。

この辺りまで藤井聡太先生は平凡に受けているだけのようにも見えます…。
でも、角交換があると、ここまで強引な仕掛けまでできるのですね…。

何となく、角交換があった場合、（左囲いの場合）２二玉に囲うよりも、３二玉に囲った方が、角打ちの威力が弱くなって、守りやすそうに見える…。

藤井聡太先生が、この手を評して
「これで難しくなったので良かったのかな、と」
と形容しているのを聞いて、
ああ、そうか、
「手の良し悪し」とは、あくまでも人間のための手の良し悪し。
つまり、人間が指す将棋だから、手順が難しくなれば、相手が間違えることも多くなる。
（手の良し悪し）≒（自玉を詰ませるpuzzleの難易度）－（相手玉を詰ませるpuzzleの難易度）
なんだなあ、と思いました。
自陣とは、自分が相手に出す詰め将棋の問題、
相手陣とは、相手が出題する自分が解かなければならない詰め将棋の問題…。

がっぷり駒が組み合う前の、悪手定石に載っていそうなっぽい挑発手から始まった展開だからこそ、玉が早逃げしやすい余地も大きいのかな…？

藤井聡太先生の、この辺りの攻防を見ていると、
何か「必勝法」「必勝型」といった物があるのではなく、
一歩タダ取りとか一手丸得と少し行儀が悪そうに見える攻撃と、
その悪手そうな手を咎めようとする相手、といった塵も積もる攻防が続いて、
運良く、相手に隙ができれば、一気に畳み掛ける、といったように指しているのが原型なようにも見える…。

微悪手も、相手が咎め損ねるのを待つ体勢を崩す挑発手…？

「玉の早逃げ」とは言っても、何も無いところを逃げ回っても、
一手逃げたら、一手追われる、の繰り返しでは形勢は変わらない…。
所々に、金将や銀将などから成る小拠点があって、
それらの小拠点を盾としながら逃げまわらないと、難しいみたい…。
相手が入玉しようとしたときには、行き先に、小拠点が残っていれば、
そこを足場にして、相手玉の行動を阻もうとすることもできる…。

先手の何が悪かったのか…？
なぜ、先手が負けたのか、判らない…。

その後の先手（４７手目）７七角に後手が同角成と応じた手が無ければ、
先手側は８八の角を、どう捌けば良かったのか…？
後手が（４８手目）同角成と応じなかったら、まさか先手側は、８五歩とするわけにも行くまいに…。

ここから、８５手目の４四歩まで、面白い攻めだと思った。
将棋に於いて歩による攻めに弱い「頭の丸い」駒は、角将、桂馬、王将。
（王将は敵駒を取って上にも動けるが、王将が単騎で敵陣に特攻する手は、
あまり、良い手とは思えない。）
で、後手側の二つ並んだ桂馬と王将を叩く面白そうな手。
先手側も頭の丸い角将が居る４筋だけど、もう一方の駒は縦の攻守に強い銀将。

この手が、「？」と思った。
先手方の２、３筋の戦力は飛車と桂馬、一方、後手側の戦力は金将と桂馬。
後手側が、いずれ、王将を６、７筋に撤退させねばならなくなりそうに見える。
先手方は、９筋の端攻めを見せてはいるが、後手側は６，７筋が厚い。
３ニ玉よりは、３一飛のほうが、戦力バランス的には美しそうに見えた。
（細かい手順については素人なので判らない）

この辺りから、藤井聡太先生の飛車が忙しい…。
この時点で、その後の８五飛読めていたのだろうか…？

何だか、この辺りから、しばらく、歩一枚ただ取りするか、されるかの攻防のようにも見える…。

斉藤明日斗先生の飛車が何とか生還し、
ここからが、溜まった歩を活かしての、端攻めの教科書みたい…。

横歩取り対策の教科書みたいだ…。
本当に、これが藤井聡太先生に負けた人の棋譜なの…？