2021-10-24 09:18:53
豊島将之 JT杯覇者 vs. 渡辺 明 名人 将棋日本シリーズ
藤井聡太先生の活躍が、テレビなどで報道されて、ネットでは棋譜を見れないか検索してみたところ、
当サイトに行き当たったので、久しぶりに将棋の棋譜を辿ってみました。
昔、1980年代に新聞で見た棋譜は、矢倉将棋でした。
その頃の将棋と比べると、今の将棋は、洗練されていて、一手一手に無駄が無いように感じました。
1980年代の棋譜は、まずは、お互いに目指す陣形に向かって一直線に囲いを作り、それから、戦いの火蓋を切る、といった手順が多くて、儀式的に見える部分が多くありました。
(隙があったときには、急戦に展開する場合もある。)
藤井聡太先生の棋譜は、特に大駒の動きが基本に忠実なように感じました。
まず、序盤の玉の囲いですが、相手が、どこから攻めてくるかを見極めるまで居玉に近く、王将の動きに無駄が少なく感じました。
相手が攻めてくる側に王将を移動したのでは、相手を助けてしまいます。
また、飛車角の大駒は、多少、手に無駄があるように見えても、ほとんどが、飛車角筋の先に相手玉が居るように打っているように感じました。
評価関数では、駒得が大きめに評価されているようですが、
飛車角が、王将を狙っていると、空き王手が発生しやすく、速い攻めでは小駒のタダ取りが頻繁に発生しやすいように感じました。
飛車角筋上に相手玉が居るかどうかは、評価関数に表れる駒得以上の効果を出しているように感じました。
ほとんどの将棋の駒は上方への攻めが得意ですから、相手陣地への突破口は、できれば王将の直上から、畳み掛けるのが正論ですね。
藤井聡太先生の将棋は、とにかく攻めが上手に感じました。
相手が攻めてくるまでは、守りを極力手抜きして、とにかく攻めて攻めて攻めまくる。
攻めに休暇ができてしまうと、大駒の筋(攻めの速さ)よりも、駒得が大きく響いて来てしまうので、駒筋の駆け引きは、攻めが巧いプロならではの芸術に感じられました。
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